※1 東京湾アクアライン
東京湾の中央部を横断する、延長約15.1キロの有料道路。平成9年(1997)12月に開通。川崎側から約10キロがシールドトンネル、木更津側から約5キロが橋梁で、トンネルと橋梁の接続部に人工島(海ほたる)を設置した。約1,400隻の船舶が行き来する川崎側では、船舶航行上の支障となる懸念からシールドトンネル工法を採用。一方、浅瀬が広がる木更津付近は、大型船舶の航行も少ないことから、経済的な橋梁構造となった。道路は片側2車線の合計4車線で、海底部ではトンネルを2本建設しましたが、将来の交通量の増大に備えて、人工島や橋梁は拡幅可能な構造を採用している。民間企業と地方自治体、日本道路公団が出資した第三セクター「東京湾横断道路株式会社」が建設と管理の委託を受けもつ。完成後は道路公団に引き渡し管理を受託した。
左:アクアトンネル入口。ここから約10キロで海ほたる
中:海ほたるより木更津側方面。ここから先は橋梁部
右:日本唯一の海上パーキング海ほたる。ここでUターンも可能
※2 海ほたる
木更津の沖合約5キロの海上に位置し、道路がトンネルから橋に移り変わるために造られた人工島。規模は幅が約100メートル、長さ約1,400メートル(海上平坦部が約650、斜路部が約750メートル)。この人工島は、シールドトンネルが海底部に達するまでの斜路盛土部、シールドマシンの発進基地となる立坑、陸上施設が立地する平坦部盛土から構成されている。日本では唯一の海上パーキングエリアで、1F〜3Fまで480台を収容可能。4Fはショッピングやアミューズメント施設、5Fはレストラン街など休憩施設が整っている。また、パノラマデッキでは東京湾周辺の風景を360°展望できる。
左:船のマストを模した!?屋根部。夜は幻想的に青くライトアップされる
中:技術資料館「うみめがね」は入場無料(9:00-17:00)
右:1Fから5Fまでエレベーターが続く、ドーム型の屋根
※3 アクアトンネル
最大海面下約60メートルの海底を両側から掘り進んで地中接合させた延長約10キロの世界最大の道路シールドトンネル。トンネルの建設は、高水圧で軟弱地盤という条件下で切羽の安定と止水を確保するために、密閉型シールドマシンを使用した。上下線2本のトンネルは、工期短縮等の目的に沿い、浮島取付部・風の塔・海ほたるの3ヶ所の立坑から、口径14.14メートルの円筒状の巨大シールドマシン8基で掘進し、立坑間のほぼ中央で地中接合させた。先端に取り付けられた超合金の刃が回転しながら高圧の泥水を使用し、崩れないよう押さえられた土を削り取る。泥水となった土はポンプにより排出し、マシン後方では1.5メートル進むごとにセグメントをリング状に組み立てトンネル壁を構築した。
左:アクアトンネルの断面模型(うみめがね内)
右:トンネル壁部セグメントの様子がうかがえる模型(うみめがね内)
※4 シールドマシン
東京湾アクアラインのトンネル掘進には6気圧にも及ぶ高水圧、ヘドロによる軟弱地盤中の長距離掘進という条件下で切刃の安定と止水を確保するため、直径14.14メートル重量3,200トンの円筒状密閉型大口径シールドマシンを使用した。泥水式としては世界最大級。カッターフェイスに取り付けられているカッタービット(超合金で作られた爪)には、それぞれ掘削する部分の役割と機能に応じ、標準カッター・センターカッター・コピーカッター・コアリングカッター・最外周カッター・補助カッター・先行カッターがある。
左:直径14.14メートルの巨大なカッターフェイス
中:カッターフェイスの詳しい構造が記された記念碑
右:超合金の刃は、いたるところ摩耗している