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2003.11.05
散歩 de 探訪 -街・たてもの 歩いて見える新発見- 「会津・大内宿」

vol.6 江戸時代の面影残る、宿場町「会津・大内宿」

JR磐越西線会津若松より会津線 湯野温泉駅下車 車で15分。
9:00〜16:30 TEL:0241-69-1166
http://www.town.shimogo.fukushima.jp/kankou/place02.html

助手: はかせ、ついに会津まで来ましたね!日光街道と会津若松を結ぶ宿場町・大内宿ですよ。(※1)
博士: んだんだ、参勤交代で賑わった、おらが村ば紹介すっぺ。
助手: …!?誰やねん!
博士: いやー、あんまりにも見事な街並に思わず、江戸時代に飛んでもうたんじゃ。見よ、1本の道を挟むように両サイドに水路、そして寄せ棟平屋立てのかやぶき屋根の民家が、整然と並んでおる。(※2)
助手: ぼー…。
博士:
助手: …。あまりに“整然”とした街並の美しさに、“ボー然”しちゃいました。
博士: ばかもん!2行も使って言うギャクか!ったく。先にゆくぞっ。今回の見どころは、「半農半宿」という造りなんじゃ。
助手: えーっと、道を挟んで、右が農家で、左が旅館ってコト?
博士: ちがーう!街並で言うと、半分農村で半分宿場町、民家の構造で言えば、半分農家で半分民宿。つまり、どちらとしても使用できるよう計画的に作られた街や家のコトを言ってるのじゃ!
助手: ひーん。ぢゃ、この水路と軒の間に馬をつないだとか…?
博士: その通り! まず、入口を覚えておるか?大内宿の入口は、道を右にぎゅぃーんと曲がった先に広がっておったじゃろ?つまり、街の入口からすぐには奥まで一望できないようになってるんじゃ。その他にも、大内宿には大名用宿の本陣、上流武士用の脇本陣、さらに北のはずれの高台には全体を見渡せる見張屋もあり…。
助手: 単なる村じゃなく、宿場としてお客(街自体)を守るように配慮されてるんですねー。ビバ!半農半宿。
っで、民家はどんな仕掛けがあるんです?(ワクワク)
博士: うむ。わかりやすい所で、本陣の間取りを見てみよう!中の1/3は土間。「うまや」や「かまど」等がある。で、「いろり」を取り囲むような居間があり、くつろぎ空間になっておったようだ。また、お客(大名)には、一番みちに近い二部屋があてがわれ、道に面した「乗込み」と呼ばれる専用玄関から出入りできるようにも造られている。(※3)
助手: あの一段高い部屋が大名の寝室。でもって、奥の三方土壁で囲まれた部屋が、家主ら家族用ってワケですね。
博士: うむ。この壁でプライベートを守っておったんじゃろーな。
助手: あれ…?隣の民家、平屋です、よね?2階があるような…。
博士: (目を見開いて)鋭い!それでこそ、我が弟子!本陣の周辺には、屋根裏に「忍びの間」っぽい空間をもつ民家がある。これも、もちろん目的は防衛なんじゃ。
助手: 手裏剣や吹き矢で…。
博士: 拙者は、お守りするでござる!
助手: はかせ!「忍びの間」だからといって、忍者かどーかは、わかんないですよ!
博士: 祖先の血が騒ぐんじゃ、おっし、丑寅の方角に吉ありと見た!いくぞ、ニンニン!
助手: (半分呆れ気味)っつーか、蕎麦屋狙いでしょ!
あ、はかせ、待ってくださーい!大内宿の名物・高遠そば、とち餅、川魚の塩焼き…私もお供しまーす。(じゅる)(※4)

博士と弟子が忍者走りで、蕎麦屋に直行したところで今回はおしまい。次回もお楽しみに!

今週の建材

明かるい雨戸!?明かるい雨戸!?
雪深い会津では、雨戸や窓が凍えてしまうことも。そこで、積雪時でも雨戸を開けずに外光を取り入られるよう、障子の上30cm程のみ和紙貼りになっている工夫が見られる。これを「上すかし雨戸」というそうだ。


無駄demo知識

○大内宿は保存地区なので、観光資源は「売らない」「貸さない」「壊さない」という村民憲章がある。
○宿場内の速度規制は、20km以下。
○三澤屋では、川魚の腹に自家製みそを塗って塩焼きに。これがまた香ばしくてウマイのよぉ。



補足de知識

※1 悠久の時がながれる大内宿

江戸時代、参勤交代や物資輸送で栄えた会津西街道宿駅の1つ、それが大内宿です。現在では南北約500m、東西約200mの区域が重要伝統的建造物群保存地区に指定され、かやぶき屋根民家が40軒ほど軒を連ねている。

※2 生活が見える、おもしろ街並!


左:左右にある水路。清流が流れ、今でも野菜を洗ったりしているらしー。
中央:道に面した縁側。今では土産物のショースペースに活用。
右:軒にぶら下がっていたのは干し柿だけではなかった!なんとコレ、蜂の巣。りんごの受粉用に農家が蜂を飼っているのだという。

※3 本陣内部あれこれ


左:寒冷地のため、「うまや」が土間にある。馬も家族だもんね。
中央:いろりを囲むように、仏間と大黒柱、さらに客間への廊下がある。
右:一段高くなった畳部屋は「上の座敷」と呼ばれ、大名専用の寝室。
*ただし、大内宿の本陣は他の宿場町を参考に再現されたもので、現在は町並み展示館として使用されている。

※4 大内宿名物をまるかじり!


かやぶき屋根をくぐると、いろり=テーブル席となった、あったか空間が広がっている。名物は何と言っても、高遠そば。ネギがまるごと1本ついてきて、そのネギを箸にして食べる。味は大根の辛みが効いた絶品!箸ネギは薬味としてかじってもOK。
三澤屋」大内宿入口すぐ TEL:0241-68-2927
高遠そば 1,050円など


今週の「ツウ」快ふしぎ発見!

今週の「ツウ」快ふしぎ発見!
たくさんの民家屋根に、こんな板が飾ってありました。板に「水」という文字が書いてあるのが見えますか?これは、「雨がたくさん降って、豊作になりますように」という願掛けと魔よけを兼ね備えたおまじないだそうです。ちなみに逆側には「寿」という文字が書いてあり、「子宝」を願って書いたのだとか。


散歩de探訪録

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≫vol.06 会津・大内宿
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ライタープロフィール

◎アドバイザー:《羅針盤》
HP ⇒http://www.geocities.jp/dm97032/works/top.htm
建築家の異色ユニット。
自らの事務所を持ち、建築家として建物のプランニング・設計する側ら、オリジナル家具・インテリア小物や雑貨などのデザイン制作を担当するなど幅広く活動中。「明日の生活を建築・インテリアで改革」と豪語(笑)する、自然愛好家たち。
◎文:たばたひろえ