※1 丹下健三



1913年大阪生まれ。東京大学建築科を卒業後、ル・コルビジェに傾倒し、前川國男の建築事務所に入る。日本の伝統建築法にコルビジェの表現法を組み込んだ建築を含む計画案を1951年のCIAM(近代建築国際会議)で発表、海外の建築界にデビューする。国内外の数々の大学でも教育活動を行い、多くの人々との交流の中で刺激を受けて見聞を広める。また様々な分野で活躍する芸術家たちと共鳴、研磨しあう中で新しい表現を創り続ける。発想の基本は、建築の全体配置から建築物に至るまで、はっきりとした構造をもち、それを明快に表現するところにある。国内外の建築物を数多く手がけ、1979年文化功労者となり、1980年文化勲章を受章。現在も建築界の第一人者として精力的な活動を続けている。主な作品に広島平和会館(1955)、香川県庁舎(1958)、倉敷市立美術館(1960)、国立屋内総合競技場(1964)などがある。
左:ゴシック建築を連想させる第一本庁舎
中:立方体を積み重ねたようなファサード
右:丹下建築の意匠を模型で見学(北展望室)
※2 東京都庁



1991年に竣工された都庁は第一本庁舎(地上48階・地下3階)、第二本庁舎(地上34階・地下3階)、都議会議事堂(地上7階・地下1階)からなる、総敷地面積42,941平方メートル、延べ床面積約381,000平方メートル。職員数約12,700人を要する。1986年に行われた新都庁舎の指名競技設計で1等当選した建築家・丹下健三氏が設計を担当した。一般の見学が可能な施設は展望室のほか、第一本庁舎9階の「防災センター」「都民情報ルーム」(同庁舎3階)、都議会議事堂内7階の「本会議場」、2階「都議会PRコーナー」、第一本庁舎と都議会議事堂を結ぶ渡り廊下「ワンダーウォール」など、さまざまな施設が整っている。
左:第一本庁舎入口。エントランスは非常に高い天井
中:庁舎のいたるところにアートが点在している
右:憩いの広場「都民広場」は団体旅行の集合場所にもなる
※3 都議会議事堂



都議会を象徴し、活動の中心となる議事堂。都民から選出された議員がここに集まり、都政に関するさまざまな事柄を決定する都議会は傍聴席からの見学も可能。一般傍聴券は本会議の当日に、開会予定時刻の1時間前から議事堂2階の受付で先着順に配布される。2階南側の「都議会PRコーナー」では展示パネル・パソコン・ビデオによる都議会の仕組みを見学することができる。地上7階、地下1階高さ41メートル。
左:厳粛な雰囲気漂う本会議場内
中:本会議場全体模型は2FのPRコーナーで観ることができる
右:議事堂から「都民広場」を見下ろす
※4 展望台


第一本庁舎1階から専用エレベーターで約55秒、地上202メートルからは首都東京はもとより、お台場、横浜、晴天の澄んだ日には後方に富士山や周辺の山並みが見渡せる、まさに東京を代表するバード・アイ・ビューがひろがる。北東方面には新宿副都心、明治神宮の森を越えて東京タワーが、南西方面は市街地再開発事業が進む西新宿を越え、武蔵野の平野がどこまでもつづく。北・南展望台ともに45階に位置しているが、開室時間はそれぞれ異なる。
左:市街地再開発が進む西新宿、中野方面(北西方面)
右:新宿パークタワーの奥に広がる明治神宮(南西方面)