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2003.11.19
散歩 de 探訪 -街・たてもの 歩いて見える新発見- 「草津温泉郷」

vol.8 古き良き湯治場「草津温泉郷」

JR吾妻線 長野原草津口駅 「草津温泉」行きバス終点下車。
TEL:0279-88-0800
〔泉質〕含硫化水素ミョウバン泉、強酸性〔源泉温度〕64度〔湧出量〕毎分5,800リットル
http://www.kusatsu-onsen.ne.jp/

博士: きみぃ、いい加減にしたまえ!クサいぞ、クサい!
助手: は、はかせ、良くご存知で!そう、ここ「草津」の由来は“臭い水”を意味する“くさうず”という説があるんですよ。
博士: ‥‥うーむ。当然のフリじゃ。ぢゃ、さっそく草津最大の源泉「湯畑」に行くぞ。
助手: はっ!まさに湯の畑!!温泉がボコボコ沸いてますねー。
博士: この壮大さ、まるでプールみたいじゃろ。「湯畑」とは、上方に源泉があり、湧き立てのアツアツ温泉水(約55度)が、木桶の用水路を流れ、ほどよく冷まされ、各旅館の内湯へ送られる場所なんじゃ。湯けむりが、なんとも風情があるのぉ。(※1)
助手: ええ、大内宿に続き、江戸時代にトリップしそうですよぉー。
博士: (いきなり立腹して!?)控よろぉー。先におわすは、徳川8代将軍吉宗公はじめ将軍の木枠でござる!
助手: ???
博士: あの温泉水に沈んだ木枠が見えぬか、控えろ、無礼者!
助手: っつーか、はかせ、そろそろ説明してくださいよ。
博士: (しぶしぶ)あれは「御汲み上げの湯枠」と言われるもので、簡単に湯治(草津)に行けなかった将軍が、「“湯畑の中でもあの木枠内の”温泉を持って来い!」と、温泉水を江戸まで運ばせたのだという。(※2)
助手: ほぇ〜90ポイント!続いて、コッチ!足湯施設のウンチクに行ってみよー。
博士: オゥ!今回のポイントは、「温泉フル活用」の街並計画。地元の人々が“外湯”と呼んでいる足湯や共同浴場なども、活用術の1つじゃな。さらに温泉は、その熱を利用し、道路の凍結防止にも役立っておる。(※3)
助手: はぁー。温泉って観光だけじゃないんですねー。
博士: もちろん、観光には一番チカラを入れてるがな。きみぃ、街を眺めて気づくことはないか?古き良き湯治場の雰囲気を生かすために、湯畑付近には電線がない。景観に配慮して見えないように配線しておるんじゃろー。また、色合いや街灯にも統一感が見られ…。(※4)
(突然の猛ダッシュ)
助手: は、はかせ!な、なんですか急に!!
博士: バカもん、温泉まんじゅうが売り切れる!まだ、温泉たまごも湯の花も買ってないのに!いかん、山彦の揚げ温泉まんじゅうだけは!!
助手: えー。博士が消えたトコで、ワタクシは、温泉につかりたいと思います。ムフッ、湯もみ体験もしよっと。(※5)

博士と助手が、バラバラに草津を堪能し始めたところで今回はおしまい。次回もお楽しみに!

今週の建材

頑丈な瓦頑丈な瓦
「湯畑」付近では、瓦のアートがいっぱい!歩道に埋め込んだり、石畳にしたりと通常(屋根)とは違った面白い使い方をしている。温泉街としての風情とあう素材として「瓦」が使用されている感じだけど、これは理にかなったチョイスなのだ。というのも、草津温泉の泉質は、湯けむりだけで鉱物をもサビさせる強酸性。そこで、腐食しにくく耐久性のある「瓦」がベターという訳。夜ライトアップしても綺麗だし、歩いても滑りにくいしネ。


無駄demo知識

○草津温泉の泉質は強力!なんと源泉に1円玉を1週間つけておくと、跡形もなく溶けてしまうという。
○チョイナチョイナで有名な草津節は、明治時代から始まったそーだ。
○道を歩けば温泉まんじゅうにあたる。てなぐらい、草津には温泉まんじゅう屋がいっぱい。食べ比べも楽しいかも!



今週の「ツウ」快ふしぎ発見!

今週の「ツウ」快ふしぎ発見! 歩道沿いに「湯畑」を取り囲むように、木の杭が立っています。これは、“駒つなぎの杭”と呼ばれるもの。江戸時代、年間20万人もの湯治客で賑わった草津は、“馬の湯”も多く作られ、馬の疲れを温泉で癒していました。この杭は、当時の古画図に基づき再現。歩道と車道とを分ける、ガードレールとしての役割も担っているよーです。


補足de知識

※1 草津のシンボル!湯畑

草津温泉郷のほぼ中心に位置し、毎分5,000リットルもの湯が、湯けむりと共に湧き出ている様子は壮観!ちなみに木桶には湯の花が溜り、隔月に採取されているそうだ。

※2 御汲み上げの湯枠
ドイツ人医師ベルツ博士が「世界第一級の温泉保養地」として世界に紹介した草津の温泉!将軍も、その効用にあやかりたかったよーだ。「草津千軒江戸構え」と言われ賑わう草津から江戸までは約200KM!峠越えし、この距離を馬だけで運ぶとは…。豪勢ですワ。

※3 温泉でうるおう街

左:湯畑脇の「新湯けむり亭」。誰でも足や手を温められ、交流の場にもなっている。
中央:草津には18もの共同浴場があり、ほとんどが24時間誰でも無料!
右:「雪」と書いてあるマンホール。きっと、地下には温泉水が流れているのだろう。

※4 江戸の粋、そのままに。

左:老舗旅館が軒を並べる小道。黒・茶色らを基調カラーとし、落ち着いた佇まいで統一感を計っているようだ。
右:湯畑周辺の街灯には、湯もみ娘(!?)。さらに、風情を壊さないよう配慮された色使いを採用している。

※5 美味いっぱい、草津名物!!

左:現地でしか食べれない、草津・新名物の揚げ温泉まんじゅう。アツアツが最高ですよ!
中央:「熱の湯」でできる、湯もみ体験。入場料200円で楽しめる!
右:湯畑の木桶で採取される「湯の花」 お家で湯けむり♪草津温泉気分に。


今週のプレゼント!!

湯の花 草津「湯畑」で採取した“湯の花”
を10名様にプレゼント!!
※ホーロー・金属によっては変色することもございます。使用後は浴槽をよく洗い流して下さい。一袋につき、約10回分お使いになれます。
■応募方法
 住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上、
 下記までご応募ください。
・ハガキ:
 〒102-8460 KDDI株式会社コンテンツ企画部
  ポータルビジネスグループ 湯の花プレゼント係
・メール:sanpo@dion.ne.jp

■締切 11月26日24時

■発表 賞品の発送をもってかえさせて頂きます。


散歩de探訪録

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≫vol.02 お台場・ビーナスフォート
≫vol.03 鎌倉・円覚寺
≫vol.04 多摩・コカ・コーラ多摩工場
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≫vol.06 会津・大内宿
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≫vol.22 浅草・仲見世通り
≫vol.23 東京都庁
≫vol.24 東京湾アクアライン・海ほたる
≫vol.25 横浜港大さん橋国際旅客ターミナル
≫vol.26 総集編 長い散歩のあとに・はかせインタビュー



ライタープロフィール

◎アドバイザー:《羅針盤》
HP ⇒http://www.geocities.jp/dm97032/works/top.htm
建築家の異色ユニット。
自らの事務所を持ち、建築家として建物のプランニング・設計する側ら、オリジナル家具・インテリア小物や雑貨などのデザイン制作を担当するなど幅広く活動中。「明日の生活を建築・インテリアで改革」と豪語(笑)する、自然愛好家たち。
◎文:たばたひろえ